こんにちは。
こんにちは。 美研25生の浜岡です。 私は絵画ゼミに所属しています。
4年生になってからは、特に興味のある現代アートやアール・ブリュットについて、以前より本を読むことが増えました。 その度に、美術は人間にとって何なのか、人間に一番大切なことは何かなどについても、思考を巡らすようになり、自分の考えがどんどん変わっていくことが楽しくなりました。 それと同時に、以前には無かったこれだけは正しいという譲れない信条のようなものも生まれました。
大学院への進学を考えていますが、これからよりあらゆることを知り、自分を更新していきたいです。
今回は、最近私がまた少し変わるきっかけとなった作品との出会いについて書かせていただきます。
5月のゴールデンウィークに、瀬戸内国際芸術祭が開催されている香川県の豊島を訪れました。 快晴のもと自然豊かな島内を自転車で回り、点在する作品を鑑賞しました。 特に印象に残ったのは、建築家の西沢立衛さんの設計による豊島美術館の中の、内藤礼さんの「母型」という作品です。 球を平たく潰したような大きな建造物内に入ると、天井に大きく丸い穴の空いた白壁の空間が広がっていました。 その穴から太陽の光が差し込んで、訪れた人たちは光の当たる場所を取り囲むように座っていました。 床には水が所々からチョロチョロと噴き出し、床の傾斜に沿って流れたり他の水滴とくっついたりを繰り返していて、その様子をじっと眺めている人もいました。
どんなに気持ちが荒んでいる人でも、一歩足を踏み入れたら、その静謐さや流れる優しい空気に心満たされるのではないかと感じました。 また、時を忘れるような静かな空間の中で、自然と自分と向き合わせてくれるパワーのある作品でした。
自分の作品を見てくれる人にどんなメッセージを伝えたいか、何に気づいて欲しいかについて、私はこれまでこだわって来ました。 現代アートは分かりにくいと言われますが、こんなにも自然に、鑑賞した多くの人の気持ちに寄り添うことができるのはとても凄いと思います。
私も内藤さんのように多くの人の気持ちに変化を与えられるような作品を目指し、制作や論文に打ち込んでいきます。